ニュース
2018/4/27 

赤い鳥創刊100年記念
「赤い鳥感想文コンクール」のお知らせ


大正7(1918)年に、鈴木三重吉によって創刊された童話・童謡雑誌『赤い鳥』が創刊100年を迎えました。創刊号には芥川龍之介の「蜘蛛の糸」が、また昭和7年1月号には新美南吉の「ごん狐」が掲載されるなど、同誌に発表された多くの童話が今も読み継がれ、また北原白秋を始めとする詩人たちによって毎号を飾った童謡は、長く親しまれてきました。『赤い鳥』に込められた多くの文学者たちの思いを改めて受けとめようと、同誌掲載作品を対象とした感想文コンクールを実施します。懐かしい作品、初めて読む作品、多くの方たちが、感想文を書くことを通じて、改めて『赤い鳥』に出会えることを願っています。

募集要項

【小学生の部】*応募は個人で。学校・塾などの集団応募は受け付けません。
 ・対象作品 小川未明「月夜とめがね」ほか5作品
 ・字数など 400字詰め原稿用紙2枚から2枚半まで
       (感想文のタイトルと名前を含む。手書きで縦書き)。
       それとは別に、1枚目に、住所・氏名・学年・電話番号、感想文を書いた
       作品のタイトルを書いてください。これを上にして、右上の1か所を
       ホッチキスで留めてください。応募は、一人1点に限ります。
 ・送り先  〒102-0072 東京都千代田区飯田橋2-16-3 金子ビル202
       日本児童文芸家協会・赤い鳥感想文係
       (℡ 03-3262-6026 Mail:info@jidoubungei.jp)

【中学生以上・一般の部】*中学生以上で、実行委員会構成団体の会員以外の方。
 ・対象作品 芥川龍之介「魔術」ほか5作品および北原白秋童謡作品
 ・字数など 400字詰め原稿用紙3枚から4枚まで(感想文のタイトルと名前を含む)。
       パソコンの場合も、20字×20行の原稿用紙設定(いずれもA4用紙)で。
       それとは別に、1枚目に、住所・氏名・年齢または学年(中高生)
       ・電話番号、感想文を書いた作品のタイトルを書いてください。
       これを上にして、右上の1か所をホッチキスで留めてください。
       応募は、一人1点に限ります。
 ・送り先  〒162-0825 東京都新宿区神楽坂6-38 中島ビル502
       日本児童文学者協会・赤い鳥感想文係
       (℡ 03-3268-0691 Mail:zb@jibunkyo.or.jp)

【応募期間】
 9月1日から30日まで(消印有効)

【賞と結果発表】
 全受賞者に賞状と図書カードをお贈りします。
 ※選考には、小学生の部は日本児童文芸家協会会員の、
  中学生以上・一般の部は日本児童文学者協会会員の、
  作家、詩人、評論家があたります。
 ・小学生の部
  最優秀賞(1点)…カード1万円
  優秀賞(5点)…カード5000円
  佳作(15点)…カード3000円
  副賞として、最優秀・優秀賞の受賞者には
  「学年別赤い鳥」(全6巻)を1セット贈呈。
  佳作には「学年別赤い鳥」から、入賞者の学年の1冊をお贈りします。
 ・中学生以上・一般の部
  最優秀賞(1点)…カード3万円
  優秀賞(3点)…カード1万円
  佳作(10点)…カード5000円
  最優秀・優秀賞の受賞者には、副賞として、
  「赤い鳥代表作集」(全6巻)を1セット贈呈。
 ・結果発表
  11月中旬頃に、実行委員会各団体のホームページで。小学校の部については、同時期に
  毎日小学生新聞でも発表の予定。

・主催 『赤い鳥』創刊100年記念事業実行委員会
    (赤い鳥の会・日本国際児童図書評議会・日本児童文学者協会
     ・日本児童文芸家協会)
・協賛 小峰書店・日本図書教材協会・毎日小学生新聞
赤い鳥創刊100年記念<br>「赤い鳥感想文コンクール」のお知らせ

【対象作品の紹介】  
どの作品も、「赤い鳥代表作集(全6巻)」または「学年別赤い鳥(全6巻)」(いずれも小峰書店刊)に収録されています。また、小学生の部は日本児童文芸家協会、中学生以上・一般の部は日本児童文学者協会のホームページでも、お読みいただけます。
※は、作品が収録されている本です。作品タイトルの表記は、「赤い鳥代表作集」「学年別赤い鳥」シリーズに準じました。


【小学生の部】  

・小川未明「月夜とめがね」※『赤い鳥3年生』、絵本(あすなろ書房)など。
月のきれいな夜、おばあさんが針仕事をしていると、めがね売りの男がやってきました。夜もふけてきて休もうとしたとき、こんどはけがをした女の子がきます。薬をつけてあげようと、さっき買っためがねをかけてみると、女の子は……。 

・丹野てい子「丘の家」※『赤い鳥3年生』など。
おひゃくしょうの家の小さな男の子は、毎日お父さんとはたらいています。夕方になると遊び時間をもらえるので、いつも丘の上から金の窓のついたお家を見るのでした。ある日、男の子は遠くにあるその家に行ってみることにしました。ところがその家の窓は、ただのガラス窓だったのです。

・坪田譲治「まほう」※『赤い鳥2年生』、『坪田譲治童話全集第2巻』(岩崎書店)など。
善太はまほうが使えるといいます。弟の三平はまほうでよびだされたちょうを見て、ふしぎでたまりません。善太はまほうを教えてくれるといいますが、簡単にはできないといわれケンカになります。でも二人は通る人にまほうをかけ、トンボやカブトムシにして遊びます。  

・豊島与志雄「てんぐわらい」※『赤い鳥3年生』など。
むかし、ある村の子どもたちが遊んでいると、空からわらい声がしました。見上げると空いっぱいの大きな顔。みんなびっくりして逃げかえります。そういうことがときどきおこると、子どもたちはおもしろくなってきました。ところがおとなたちは、たいじしようと相談します。              

・新美南吉「正坊とクロ」※『赤い鳥3年生』、『新美南吉童話集1』(大日本図書)など。
小さなサーカス団に正坊と黒クマのクロがいました。ふたりはとてもなかよしで人気者でした。一座は村々を熱心にまわっていましたが、馬が死んでしまうと団員たちも逃げてしまい、サーカスは解散することに。そして、クロは動物園に売られていくことに……。


【中学生以上・一般の部】 

・芥川龍之介「魔術」※『赤い鳥代表作集1』『赤い鳥5年生』、絵本(偕成社)など。
「わたくし」は、ある秋雨の晩、インド人魔術師ミスラ君の見事な魔術を見て、教えてほしいと願い出る。欲のある人間には使えないという魔術を教わり、友人たちの前で、石炭の火を金貨に変えてみせると……。  

・有島武郎「一ふさのぶどう」※『赤い鳥代表作集1』、偕成社文庫、岩波文庫など。
横浜の学校に通う「ぼく」は、絵を描くのが好きで、西洋人の友だちの美しい絵の具を盗んでしまう。受持の先生の部屋へ連れていかれ、泣いている「ぼく」に、女の先生は少しも叱らず、窓辺の一ふさのぶどうをもいで、ひざの上に置いてくれるのだった。       

・久保田万太郎「「北風」のくれたテイブルかけ」※『赤い鳥代表作集3』など。
貧しい少年ブウツが北風からもらった、食べものを出してくれる魔法のテーブルかけ。それを盗む「宿屋の亭主」や「かみさん」、取り戻すのに力を貸してくれる「北風」、そしてやさしい「ブウツのおかあさん」などのせりふが織りなす戯曲(演劇スタイルの作品)。   

・鈴木三重吉「少年駅夫」※『赤い鳥6年生』など。
スウェーデンの奥地を馬そりで旅する「わたし」は、ある晩、そりを出してくれた農家の少年駅夫ラルスと、雪嵐の中で動けなくなる。厳しい寒さの中で、12歳のラルスは少しもあわてず、巧みに暖かな寝場所を作り、一晩を明かそうとする。                

・木内高音「水菓子屋の要吉」※『赤い鳥代表作集4』など。
田舎から東京山の手の水菓子(くだもの)屋の小僧となった要吉。しかし、店の高価なバナナやみかんは、売れ残れっても貧しい人々に分けてやることは許されず、くさって捨てられるばかり。要吉は、商売とは? ものの値打ちとは? と悩む。              

・北原白秋童謡作品 ※「赤い鳥代表作集」ほかでお読みください。
「りす りす 小りす」「赤い鳥 小鳥」「あわて床屋」「からたちの花」「この道」など、 一度は耳にしたことがある白秋童謡。一作をじっくりと味わっても、あるいは何作かを読みくらべてもいい。