ペンダーウィックの四姉妹 (1)
夏の魔法
ペンダーウィックの四姉妹 (1)
夏の魔法
広大な庭、宝ものがいっぱいの屋根裏、おとなしいうさぎたち。夏休みをコテージで過ごすことになった四姉妹の忘れられない夏の物語。中嶋香織装幀。
定価1,760円 (本体1,600円+税)
在庫あり

お寄せいただいた感想
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船田真喜さん
夏の休暇を過ごすコテージ。入っちゃいけない素敵な洋館と庭園に、気難しいマダム。屋根裏の宝ものに、新しい友だち。そのときしかない特別な時間に憧れや冒険がぎゅっとつまっていて、夏休み最後の日みたいに読み終わるのが寂しくなりました。個性バラバラの四姉妹をすっかり好きになってしまい、この物語の続きを読みたくてたまらないです!
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豊島寛子さん
個性的な四姉妹と植物学教授のおとうさん。五人が過ごす夏休みに出会う人びとと、いくつもの小さな事件。初めて過ごすコテージでの夏休みは、大きなお屋敷とその広大な庭つきというなんとも贅沢な状況。
個性のまったくちがう四姉妹がそれぞれに夏休みを楽しんでいるようすに読んでいる間中、わたしもわくわくさせられっぱなしでした。
事件の原因のひとつ、おとなの事情に振りまわされるこどもたち。でも、こどもを振りまわしてしまうおとなにだって事情があるのです。四姉妹のおとうさんのさりげないひとことがおとなのわたしを救ってくれました。児童文学だからこそ、おとなにもこどもにも夏休みのわくわくを楽しんでもらえるお話だと思います。
四姉妹と犬のハウンド、お屋敷のひとり息子のジェフリーが過ごす夏休みの風景はとてもとても魅力的でした。ただ、こどもの視点からのお話、というだけでなく、ジェフリーのおかあさんの再婚話をめぐり、
「人はさみしいと、ときに予想もつかないような選択をするものだよ」お父さんがいった。
「ミセス・ティフトンがさみしい?」ロザリンドは、そんなことは一度も考えたことがなかった。
というくだりが印象に強く残りました。
大きなお屋敷と広大な庭を持ち、かわいい息子がいても、夫はおらず、頼りにしていた父親に先立たれてさみしいだろうな、ミセス・ティフトン……という気持ちが一気に湧いてきたのです。
この場面がなかったら、ミセス・ティフトンって、徹底的にイヤな人! とい印象で終わっていたかもしれません。
こどもの視点から描かれた、こどものためだけの児童文学ではなく、おとなも十二分に楽しめる、と感じたのは、おとうさんの視点からさりげなく語られる“おとなの事情”がおとなのわたしにはやさしい言葉に聞こえたからかもしれません。
このあとお話はどんな風にすすんでいくのでしょう? おとなのわたしにも読ませてくれる場面が必ずあるだろうな、と思うと続きが楽しみでたまりません。 -
かーまさん
15歳・女性4姉妹のそれぞれの個性がいろんな問題を起こしていき4姉妹が力を合わせて解決していくところや、ロザリンドの恋、ジェーンの作家を夢見る心がすごく共感できました。私は特にスカイが好きです。性格が小さいときの私に似ていて昔のことを思い出させてくれました。バティはまだ4歳なのにミセス・ティフトンや、デクスターに立ち向かっていっていたのが成長したなと思いました。これからもいい作品期待しています。
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