ペンダーウィックの四姉妹 (1)

夏の魔法

ジーン・バーズオール 作/代田亜香子

ペンダーウィックの四姉妹 (1)

夏の魔法

ジーン・バーズオール 作/代田亜香子

広大な庭、宝ものがいっぱいの屋根裏、おとなしいうさぎたち。夏休みをコテージで過ごすことになった四姉妹の忘れられない夏の物語。中嶋香織装幀。

定価1,760円 (本体1,600円+税)

在庫あり

▼ 学校・図書館・書店の方

対象年齢
小学校高学年 中学生
発行日
2014年6月28日
ISBN
978-4-338-28701-2
判型/ページ数
四六変型判/325ページ
NDC/Cコード
NDC933/C8397

お寄せいただいた感想

  • 船田真喜さん

    夏の休暇を過ごすコテージ。入っちゃいけない素敵な洋館と庭園に、気難しいマダム。屋根裏の宝ものに、新しい友だち。そのときしかない特別な時間に憧れや冒険がぎゅっとつまっていて、夏休み最後の日みたいに読み終わるのが寂しくなりました。個性バラバラの四姉妹をすっかり好きになってしまい、この物語の続きを読みたくてたまらないです!

  • 豊島寛子さん

    個性的な四姉妹と植物学教授のおとうさん。五人が過ごす夏休みに出会う人びとと、いくつもの小さな事件。初めて過ごすコテージでの夏休みは、大きなお屋敷とその広大な庭つきというなんとも贅沢な状況。
     個性のまったくちがう四姉妹がそれぞれに夏休みを楽しんでいるようすに読んでいる間中、わたしもわくわくさせられっぱなしでした。
     事件の原因のひとつ、おとなの事情に振りまわされるこどもたち。でも、こどもを振りまわしてしまうおとなにだって事情があるのです。四姉妹のおとうさんのさりげないひとことがおとなのわたしを救ってくれました。児童文学だからこそ、おとなにもこどもにも夏休みのわくわくを楽しんでもらえるお話だと思います。

     四姉妹と犬のハウンド、お屋敷のひとり息子のジェフリーが過ごす夏休みの風景はとてもとても魅力的でした。ただ、こどもの視点からのお話、というだけでなく、ジェフリーのおかあさんの再婚話をめぐり、

    「人はさみしいと、ときに予想もつかないような選択をするものだよ」お父さんがいった。
    「ミセス・ティフトンがさみしい?」ロザリンドは、そんなことは一度も考えたことがなかった。

     というくだりが印象に強く残りました。
     大きなお屋敷と広大な庭を持ち、かわいい息子がいても、夫はおらず、頼りにしていた父親に先立たれてさみしいだろうな、ミセス・ティフトン……という気持ちが一気に湧いてきたのです。
     この場面がなかったら、ミセス・ティフトンって、徹底的にイヤな人! とい印象で終わっていたかもしれません。
     こどもの視点から描かれた、こどものためだけの児童文学ではなく、おとなも十二分に楽しめる、と感じたのは、おとうさんの視点からさりげなく語られる“おとなの事情”がおとなのわたしにはやさしい言葉に聞こえたからかもしれません。
     このあとお話はどんな風にすすんでいくのでしょう? おとなのわたしにも読ませてくれる場面が必ずあるだろうな、と思うと続きが楽しみでたまりません。

  • かーまさん
    15歳・女性

    4姉妹のそれぞれの個性がいろんな問題を起こしていき4姉妹が力を合わせて解決していくところや、ロザリンドの恋、ジェーンの作家を夢見る心がすごく共感できました。私は特にスカイが好きです。性格が小さいときの私に似ていて昔のことを思い出させてくれました。バティはまだ4歳なのにミセス・ティフトンや、デクスターに立ち向かっていっていたのが成長したなと思いました。これからもいい作品期待しています。

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著者紹介

ジーン・バーズオール

「わたしは十歳か十一歳のころには、読みたい本をぜんぶ読みつくしてしまいました。毎週、お気に入りの作家のうちだれかが新作を出していないかと期待して図書館に通っていました。けれどもたいてい、借りて帰るのは読んだことのある本で、なかには八回も九回も十回も読んだ本もありました。そしてわたしは、いつか作家になると心に誓ったのです。わたしのような読者に、すこしでもあたらしい本を発見して楽しんでもらえるように」
マサチューセッツ州ノーサンプトンに、夫と、ネコ二匹と、キャグニーという名前の犬とともに在住。『ペンダーウィックの四姉妹 夏の魔法』で全米図書館賞を受賞。

代田亜香子 ダイタアカコ

神奈川県生まれ。立教大学英米文学科卒業後、会社員を経て翻訳家に。訳書に『コービーの海』(鈴木出版)、『ぼくはジョシュア』「ペンダーウィックの四姉妹」シリーズ(小峰書店)、『二番がいちばん』(理論社)、『マーヤの自分改造計画』(紀伊國屋書店)などがある。

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