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日本の読み物

小学1・2年生から

ひらけ!なんきんまめ

竹下文子 作/田中六大

お母さんに犬のころすけの散歩とおつかいを頼まれたたっくん。いつもは楽しい散歩も同級生のあすかちゃんとけんかした今日はそんな気分になれません。しぶしぶ出かけた帰り道、不思議なおばあさんから買った「なんきんまめ」を食べながら歩いていると……。

発行日  2008年11月23日
判型/サイズ A5判/22cm
ページ数 55ページ
ISBN 978-4-338-19216-3
NDC 913

定価1,188円 (本体1,100円+税)

著者メッセージ
作者:竹下文子(たけした ふみこ)

挿絵 子どもの頃、うちに父親が買った古いレコード(CDじゃありません)が何枚もあって、わたしのお気に入りのひとつが「南京豆売り」。昔のラテンのヒット曲でした。くるくる回る黒いレコード盤に息を詰めるようにして針を乗せると、しゃりしゃりと雑音混じりに陽気なリズムが流れ出し、のんびりした豆売りの声とともに南国キューバの青い空がひろがっていくのでした。
「なんきんまめ」という言葉、今は知らない子もいるでしょうね。殻つきのが落花生、殻をむいて赤い薄皮のままのが南京豆、薄皮もむいてバター味や塩味をつけたのがピーナツ……って、わたしは思っているのですが、呼び方は人によって違うかもしれません。
 おばあさんに「いりたてのなんきんまめだよ」と言われて、「なんだろう?」って買ってしまったたくちゃん。魔法は、そこから始まります。
 この本の見どころは、たくちゃんの住んでいる普通の町から、なんきんまめの呪文で不思議な町に入っていくところです。壁をはさんで鏡のように対称になっているふたつの町は、似ているようで違う。違うようで似ている。ほらほら、「こみねしょてん」は「みけねこしょてん」になってるし、ラーメン屋さんの看板の竜は空飛んじゃってるし……。
 絵の中で、おばあさんの屋台に置いてあるハンドルのついた器具は、実は昔のアメリカで使われていたコーヒー豆の焙煎器。下に炭火をいれて、上に豆を入れて、ハンドルをくるくると回しながら加熱します。コーヒー豆用だけど、たぶん南京豆にも使えるんじゃないかな……ということで田中さんに描いていただきました。いりたてのなんきんまめって、なんだかおいしそう、食べたい!と思ってもらえたら、大成功です。

 
画家:田中六大(たなか ろくだい)
挿絵 ぼくは子どものときから、本が好きでした。よく、本についているさし絵を延々とぼおっとながめたりしていました。ぼおっとした子どもだったんですね(いまでも、ぼおっとしたおとなですが)。
 「ひらけ!なんきんまめ」のさし絵は「こんな絵だったら、あの時のぼくはきっと大好きだろうな」と考えながら描きました。お気に入りの本は、なんども読み返したので、なんども読み返してもあたらしい発見があるように描きました。
 子どものときのぼくがこの本を読んだら、きっと、曲がり角の向こうがわとか扉の中に、絵には描かれていないものを想像してみたり、その後のたくちゃんやあすかちゃんのことを考えたりしたと思います。実は、おとなになった今でも、完成した自分の絵を眺めながらそうしています。
 子どものころの自分にこの本を読ませてあげられないのは残念です。きっとお気に入りになるでしょうから。でもそのかわりに、今、子どもの誰かのお気に入りになってくれたら、ぼくは、とてもうれしいです。
 そういう思いを込めて、なんきんまめをぽりぽり食べながら絵を描きました。絵を描いている間に100粒くらい食べました。
 
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作者プロフィール

PROFILE

竹下文子 (たけしたふみこ)

1957年、福岡県生まれ。東京芸術大学教育学部卒業。
作品に「黒ねこサンゴロウ」シリーズ(偕成社)、『風町通信』『木苺通信』(ポプラ文庫ピュアフル)、「ひらけ! なんきんまめ」「旅するウサギ」「にゃんともクラブ」「ちいさなおはなしやさんのおはなし」(小峰書店)などがある。
猫飼い歴35年、現在5匹(珊瑚、真鈴、きなこ、クレ、コマ)。